R水素の基礎知識

燃料電池ってどんな電池?

※このページは、2012年公開当時の情報を元に制作されています。最近の基本的な知識は、ブックレット『R水素』(2015年12月発行)をご購読ください。

燃料電池は、水素発電・発熱機です。「電池」と名付けられているせいで、乾電池や携帯の電池のようなエネルギーの貯蔵庫だと思われがちですが、それは誤りです。

燃料電池は、① 水素側の触媒と電極/② 間にある電解質/③ 酸素側の触媒と電極、が重なったウェハースのような構造になっています。

ここに、水素(分子)と酸素(分子)を投入すると、それぞれの側で原子に分解されます。このとき、水素分子が水素原子に分解するときに飛び出した電子が電極同士をつなぐ回路を通じて酸素側に移動することによって電流が発生(発電)します。移動した電子は、酸素側で酸素分子が分解してできた酸素原子と、電解質を通り抜けて来た水素原子と結合し、水となって排出されます。

たったこれだけのシンプルな原理で、部品も少なく構造も単純なので、パソコンに入るほど小さなものから、家一軒、ビル一棟分の電力まかなうものまで自在にカスタマイズすることができます。ウェハースをつなげるだけで、大容量化ができるのです。

また、この発電機を各家庭やマンションなどに分散配置すれば、発電と同時にできる熱も、お湯をつくったり床暖房に利用するなどして、生活に有効活用することができます(chapter1参照)。すると、燃料電池で発電する時、水素から電気+熱へのエネルギー変換効率は94%にも上ります。

従来の火力発電所では、石油や天然ガス、石炭などの化石燃料(物質エネルギー)を燃やして熱エネルギーに変換し、その熱で水を沸騰させて蒸気という運動エネルギーを得て、その運動エネルギーでタービンをまわして電気エネルギーを得る、というように、3回もエネルギーのかたちを換えています。

それだけでなく、発電時に発生する余分な熱を有効利用できないため、初めの石油などが持っていたエネルギーのうちの約40%しか電気エネルギーになりません。燃料電池の半分以下です。しかも、化石燃料を燃やすので、気候変動ガスをはじめとする有害なガスが排出されます。

燃料電池発電なら、排出されるのは水だけ。さらには、水素タンクと一緒に積みこんで、バス・クルマ・バイクなどを走らせる技術はすでに実用化レベルに達しているほか、飛行機や電車などへの活用も研究されています。

こうした燃料電池の優れた性能・将来性には、すでに多くの企業や業界が注目しており、2012年で第8回を数える国際水素・燃料電池展には、150社が出展。2011年の約9万人を越える来場者が期待されています。

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