Rじゃない水素

水素は、宇宙を構成する正体が解明されている物質の約73%を占め、地球上では炭素と結合した石油や石炭、また、酸素と結合した水のかたちで存在しています。

従って、石油や石炭・天然ガスからも水素を取り出すことができますが、こうして取り出した水素は再生可能(Renewable)ではありません。「Rじゃない水素」です。原料が、使えば使うほど減っていき、いずれなくなると考えられている化石資源だからです。

一方で、水は、雲や雨、海や川にかたちを変えながら自然界を循環しています。太陽の光や風力・水力・潮の流れなどの再生可能エネルギーも同様です。水の中にある水素と再生可能エネルギーによる持続可能なエネルギーのかたちが、R水素(あーるすいそ・再生可能水素)です。

経済産業省の新エネルギーおよび省エネルギー技術などの研究機関NEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の一般向けのページ「よくわかる!技術解説」では、5種類の水素のつくり方が紹介されています。

5種類の水素のつくり方

次のつくり方のうち、どれが再生可能なR水素で、どれがRじゃない水素でしょうか?

① 化石燃料の改質

石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料を原料として、触媒を利用して改質を行い、水素を取り出す。
実例:エネファーム水素ステーション

② 原子力で水を熱化学分解

原子力発電の際に出る排熱で水を熱化学分解し、水素を取り出す。
関連情報:東芝webサイト

③ 工業プロセスの副産物、副生ガスの精製

製鉄所などのコークス炉から出る副生ガスから水素を取り出す。
実例:北九州水素タウン

④ バイオマスの改質

・下水処理場や廃棄物処理場から出るメタンガスなどから、触媒を利用して改質を行い、水素を取り出す。
・木質バイオマスを熱分解ガス化して水素を取り出す。
・海藻をバクテリアで発酵させて水素を取り出す。
実例:オレンジカウンティ熊本北部浄化センターブルータワーシステム

⑤ 再生可能エネルギーで水を電気分解

自然エネルギー電力で水を水素と酸素に分解し、水素を取り出す。
実例:アメリカン・ホンダモーター ソーラー水素ステーション(米国カリフォルニア州)
HONDAソーラー水素ステーション(日本 埼玉県)

⑤は文句なしにR水素です。原料の枯渇性を考えると、①と②そして③も元が化石燃料ですので、明確にRじゃない水素です。④は、個別のケースごとに判断がわかれます。水素を取り出すプロセスにおいて化石資源を使わないかどうか、地域循環・地産地消といえるかどうかを基準に、慎重に判断していく必要があります。

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